みつをとみきおの名言比較

相田みつをの名言で「うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころが美しい」というものがある。これに対してみきおは「何を見ても課題が見えるあなたのこころが課題なんだなあ」とのたまう。研修でこれを披露すると100%笑いがとれる。「常に課題意識を持つことが重要」が常識とされNPOの生命線でもある課題意識だが、何事も程々とバランスが重要だ。常に課題を考えていなければならない社会に多くの人は実は辟易としているのではないか。だから先述の格言で笑いが起こるのだと思う。

今の社会は万一のリスクを考えられる人間が優秀とされる風潮がある。そしてあらゆる場面でリスクマネジメントが求められ地域活動のハードルがどんどんと上がりみんなが疲弊しているように思える。

こうした流れの一方で「引き寄せの法則」が注目を浴びている。自分の意識が現実を生み出すという考え方で、運がいいと言われる人の特徴は「ポジティブ・柔軟」であるらしい。確かにポジティブで柔軟性のある人はみんな幸せそうで「笑う門には福来たる」だ。幸せだからそうあるのかもしれないが。その対義語は「ネガティブ・硬直」となる。万が一のことばかり考えているとそれを引き寄せてしまう。今の社会は万が一のことばかり考えマニュアルやガイドラインで縛る典型的なネガティブ・硬直社会になっているのではないか。これでは幸運や心の豊かな社会を引き寄せるのは難しい。不寛容社会はその表れなのかもしれない。

「しあわせはいつも自分のこころがきめる」(相田みつを)は気持ちの問題だけではなく、自分の心が現実を創ると言う意味も込められているかもしれない。「しわよせはいつも自分のところに来る」(みきお)。こう感じている人はポジティブ・柔軟に思考をチェンジしてみてはどうだろう。
お後がよろしいようで。。

理事  山崎 水紀夫