おすそわけ食堂まど(香美市香北町)

どのような形で子ども食堂を運営していますか?

私たちは香美市香北町の古民家で、月曜日以外の週5~6日、食堂を開いています。メニューは地元の方から寄付していただいた食材を使った日替わり定食や、カレー、オムライス、麺類、デザートなどです。大人を含め誰でも利用できますが、高校生以下の子どもは安価に食事が出来たり、毎週水曜日の放課後に居場所として使えたりと、子どもや子育て世帯の支援になるような取り組みを行っています。20~40名ほどの方にお越しいただき、うち10~20名ほどが子どもです。食堂のお手伝いをしてくれる子どもも多くいます。

活動への「想い」を教えて下さい。

活動を始めるきっかけとなったのは、発起人が大学生の頃忙しさのために満足に食事がとれない経験をしたことです。それは自身だけでなく、大学生の友人や地域で出会った子育て世帯の方々も、食生活の問題を抱えていました。そんな時、地域の方から「おすそわけ」で頂いた手料理に体も心も満たされる思いがした発起人は、地域の食材を使った温もりのある料理を低価格ですぐに食べられる地域の居場所があればいいなと思い立ち、“食堂”というアイデアが浮かびました。描いたイメージに近かったこども食堂でお手伝いしながら仕組みを模索していく中、こども食堂が規格外などの理由で廃棄されそうになっている食材をもらい受け、活用していることを知りました。一生懸命作られた食べ物が当たり前のように大量に捨てられることに以前から矛盾を感じていた発起人は、こうした規格外の食材を活用する仕組みを自分の食堂にも取り入れたいと考えました。 こうして、地域で自然に行われてきたものの失われつつある「おすそわけ」というコミュニケーション手段を合言葉に、食を通じた地域のつながりづくりや問題解決をしていきたいという想いから、現在まで活動しています。

今後どのような活動にしていきたいですか?

本活動が目標としていることは、以下の4つです。

① 温かなごはんと団らんに、いつでもアクセスできる場所となる。
地元の食材を使った家庭料理を、温かな雰囲気とともに提供する。毎日開いても事業として成り立つ仕組みづくりを目指す。

②フードロスを削減し、地元の生産者を応援する。
規格外、豊作などの理由で行先の無い野菜など、これまで価値が付いていなかった食材を集め活用することで、フードロスを解消し地域の生産者にやりがいを生み出す。また、生産者の情報発信、商品販売、つながり作りの拠点等として食堂を活用してもらい、生産者のさらなる活躍を応援する。

③ 子育てと仕事の両立を支援し、貧困問題の根本に挑む。
子どもへの低価格での食事提供という“対症療法”のみならず、子どもの貧困への“原因療法”としても機能するために、親を子育てに配慮した形態で雇用したり、仕事をしている親の負担軽減になるサービスを提供する。

④ 食を通じた地域の交流&学びの拠点となる。
イベント開催等を通じ農・食・暮らしに関する知識と技術の普及を積極的に行うことで、親子の豊かな情緒と生きる力を育む。地域の子どもからお年寄りまで交わる出会いと学びの場として地域に開かれ、伝統の継承や新たな挑戦の拠点となることを目指す。

利用者の方々に寄り添いながら日々この場を開き続けるという基本を守りつつ、これらの目標を少しずつ形にしていけるよう、地域の方々とさらに連携を深めていきたいと思います。

ご支援のほどよろしくお願いいたします。