専門家支援の必要性と心構え

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私はこれまでに18災害での被災地支援に関わってきた。近年の災害は被災者ニーズ(支援要望)の多様化やリスクマネジメントの観点から、専門家との協働がないと被災者支援が進まない状況となっている。様々な分野の専門知識を持った人の連携のあり方が支援の成否を握っていると言っても過言ではない。事実、被災現場には様々な専門職種が支援を行っている。一方で専門家支援によるマイナス面に直面することもよくある。専門家はリスクマネジメントのプロでもあるので「こういうリスクがあるからやめておいた方がいい」「資格や経験がないと危険」という意見をよく耳にする。つまり現場でできることや素人(一般住民)の参加が極端に制限されてくるのだ。「専門家と書いてオタクと読む」という言葉があるが、専門家は深い知識は持っているが、広い視点やバランス感覚は持っていない場合が多い。専門家もそこを自覚してバランスある支援が必要だと思う。熊本地震は食中毒のリスクからボランティアによる炊き出しが中止され弁当に切り替わった。朝は「ハムマヨたまごパン」昼夜はコンビニのお弁当。

ここで被災者の名言を聞いた。「これ食べとったら食中毒は起きんかもしれん。けど毎日こんなもん食っとったら全員の寿命が確実に4年は縮む!」目先のリスクを恐れて全体が見えない典型的な例だと感じた。

「○○だからやめておこう」ではなく、「○○の問題はあるけどこうすればできる」という提案をしてほしい。時には片目をつむることも。なぜなら平常時ではなく災害時なのだから。「支援に入った時に自分の体験や知見を押し付けない」「自己主張は100%せず控えめに」専門家の支援は必要だけれども、支援のお作法を知ったうえでの支援が必要だと思う。

理事  山﨑 水紀夫