NPO高知市民会議は、1999年に設立し、本年度で14年目となります。設立の呼びかけ人の一人だった私が市民活動を支援する組織の必要性を強く感じたのは、1998年の9月に発生した高知東部の豪雨災害の時でした。身近な場所で起きた災害に、駆けつけてきた多くのボランティア。それぞれの人脈を通して支援の輪が広がる様に、日常的に地域での市民活動が充実している重要さを感じたことでした。
そして、NPO法の施行。草の根の活動で法人格がとれるようになり、市民活動が社会の一翼を担う、そんな社会的な状況が市民活動を支える組織の立ち上げにさらに拍車をかけたのです。市民活動が活発となる社会を夢見たメンバーと共に、何日も何日も思いを足し合わせ、言葉の意味を共有しながら定款案を作りました。そうして、設立後は高知市市民活動サポートセンターの運営を担うようになり、試行錯誤しながら様々な事業に取り組み、現在に至っております。
そんな設立から10年以上たったある日、「NPO高知市民会議のミッションってなんやろう?」という問いをもらいました。定款には、「市民が自発的に行う非営利の公益活動の促進を支援する事業を行い、魅力ある地域の創造に寄与することを目的とする(定款3条)」とあります。設立当初の思いはここに凝縮されていても、これは「ミッション」なんだろうか。いやいや目的の大枠ではあっても、NPO高知市民会議が担う役割は具体化されてない・・と思うようになりました。
そこで、理事会でNPO高知市民会議の役割「ミッション」とその方向「ビジョン」を考えるワークショップを行ったのです。結果、役員の皆さんが自分の言葉で語る目指したい姿・価値観がワークシートいっぱいに出され、NPO高知市民会議のミッション案を次の4つにまとめることになりました。
ミッション1.市民活動の支援
ミッション2.地域を担う次世代の育成
ミッション3.社会資源をつなぎ協働する
ミッション4.「持続可能な豊かさ」の認識と創造
年間実施している約30もの各事業は各ミッションの実現のための手段としての位置づけです。このように各事業がどのミッションにつながっているかが明確になることで、成果・効果が分かりやすくなり、次のステップに向けた事業展開も考えられるようになります。長く活動を続けられていると時として何のために活動をしているのか見失うときがあります。一度活動の見直しをして、ビジョン・ミッションを確認されることをお勧めします。
楽しいだけでなく、成果効果が見える活動は必ず社会を動かします。それが市民のチカラです。NPO高知市民会議はこれからも市民活動を支援することで豊かな市民社会の実現を目指していきたいと思っています。これからも、どうぞよろしくお願いします。