今から15年前、2001年9月の高知西南豪雨。土佐清水市と大月町を集中豪雨が襲い、甚大な被害をもたらせました。
当時、災害ボランティア活動関係で現地入りしましたが、応援に入った県内外の人が口を揃えたのが「これだけの豪雨災害で死者を出さなかったのは凄い」ということ。
災害発生から約1ヵ月後に被災地を歩いたとき、80歳代の老夫婦に出会いました。庭先で、豪雨が襲った当時の心境を話してくれましたが、雨がひどくなって避難をしようとしたときに思ったことは「お隣の人のことが気になった…」でした。
お隣の人は、70歳代の1人暮らしの高齢者だったようです。その後、浸水がひどくなってきたので、老夫婦は声をかけることができずに率先避難をしたそうですが、お隣の人とは避難所でお互いの無事を確認できたそうです。
死者を出さなかった。もちろん消防団の人たちの尽力が大きいところですが、その根っこには、隣近所同士、お互いのことが気になる地域の絆があったのだと思います。
近所で顔見知りになっている、気にかけている、そして、いざというときに団結する。
「人間関係の質」が高い地域は、災害にも強い地域。
あれから胸にしっかりと刻んでいます。
副理事長 半田 雅典