寄付の市場を考える

NPOや市民活動団体の活動資金の獲得、どの団体にとっても大きな課題となっていますが、NPOにとって寄付というものは大きな財源の一つになっています。ではその寄付の市場規模はどのようになっているのでしょうか。日本ファンドレイジング協会が発行している寄付白書2017によると、2016年の個人寄付の年間総額は7,756億円となっています。お隣の韓国では6,736億円、アメリカはなんと30兆円を越えています。東日本大震災を契機にして寄付市場というものは、増えては来ておりますが、アメリカの規模を見ても、まだまだ寄付市場は伸びていく要素はあるのではないでしょうか。この市場規模を一人あたりに変換すると6,100円となります。高知県の人口が約69万人なので、あくまで平均値での計算ですが、約42億円の寄付の市場が作り出せる可能性があるといえます。

コロナ禍により、政府の意思決定から行政への伝達スピードに限界があり、社会課題に迅速に対応できていないことは明らかになりました。(いつかのマスクに260億円です)そんな時こそ、NPOなどが迅速に社会課題を見つけ解決する事業を立ち上げる。それを寄付市場などがバックアップする。公共に頼りすぎないスリムな社会を作っていくことが大切なのではないでしょうか。寄付市場の拡大にはそんな可能性があります。

理事 井上将太