二宮尊徳(金次郎)はご存知だろうか。最近は見かけなくなってきたが古い学校の校舎には金次郎の銅像があった。師の功績はあまり知られていないが、一言で言えば農村再生のスーパーコンサルタントである。江戸時代に疲弊した農村を地元の住民と共に農業、土木、人材育成などの面から復活させていった。現在に共通する面もあるが、当時の農村も疲弊しており、人口減少が続いていたとのことである。そんな時に師が行った取り組みはまずは、住民の意識を変えること。具体的に言えば二宮メソッドの考え方があるが、「至誠、勤労、分度、推譲」と呼ばれる4つがベースの考え方である。ここでは詳しくは説明しないが、簡単に言えば、至誠(徳を持ち)、勤労(一生懸命働き)、分度(収入に合せて暮らしを作り)、推譲(余裕が出れば社会に譲る)の4つである。
この考え方はNPOなどの活動にも非常に役立つのではないかと思い、活動においても意識をしている。まずは一生懸命働くことがベースではあるが、生活、資金、時間などに余裕があれば、他譲、つまり社会のために譲りなさいということである。それはもちろん、生活に余裕のある範囲で構わない。その意識が大切ということだ。現在、市民会議ではこの他譲の受け皿の一つとして、市民による寄付を集め、社会に使う「こうち未来基金」の立ち上げを計画している。一人一人のできる範囲で構わないので、ぜひ応援をしていただきたい。
理事 井上将太