日ごろ何気なく通る高知城下の藤並公園(丸ノ内)、昨春、再整備が完了しました。
私にとっての「藤並公園」は、日曜市に行く道すがらの馴染みの場所。
幼い頃から緑陰将棋を眺めたり、「藤並茶屋」で冷やしあめや、アイスクリンを食べたものです。
藤並公園は、昭和22年に高知城の堀の一部を埋め立て、南国高知産業大博覧会を経て、昭和37年4月1日に開設。当時は、公園中央のバーゴラ(藤棚)を境として、北側にブランコ、遊具、テニスコート、南側には植栽や噴水を配置した公園でした。
老朽化に伴い再整備が令和4年11月に着手され、令和6年3月に完了しました。再整備された藤並公園を観察してみると、求められる機能が開設当初からは変化していることがわかりました。遊具は障害がある子どもも、ない子どもも一緒に遊べるものに一新。車いすで横付けできる滑り台などを設置しています。水飲み場なども高低差がついていて大人も子どもも利用しやすい配慮が。誰も排除されずに全員が社会に参画する機能、ソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)が感じられる公園です。舗装面が増え車いすも入りやすく、キッチンカーのなどの出店も可能になり、中心市街地にあるオープンスペースとして賑わいの創出への期待がうかがえます。公衆トイレは公園奥から道路側に新たに移設し、防犯性をアップ。多目的トイレは男女トイレの間に配置され「だれでもトイレ」と標示。男女両方のマークが並び、異性による介助への配慮も想定されています。公園は時代を映す公共空間のひとつだと思いました。

理事:堀内美登利