NPO法人 ちびっと

理事長の石川さんにお話を伺いました。

コロナの影響を受けた事業

  • 障がいのある方に向けた料理教室がしばらく開催できなかった。
  • 夢を描くことで人生設計をするワークショップができなかった。
  • 障がいなどで生きづらさを抱えた人への、農業を中心とする就労支援事業を計画していたが、できなかった。

インタビュアー 大西 響貴

所属:高知大学一回生


大西

本日はよろしくお願いします!

早速ですが、現在取り組んでいる事業を教えてください!

石川さん

ちびっとでは、障がいのある方など生きづらさを抱えている人を対象に、料理教室「夢ノート」を使ったワークショップ、また性教育を行っています。

大西

なるほど、生きづらさを抱えている人に対する事業なのですね。料理教室について詳しく教えてください!

石川さん

参加してくれた方の生活の質を上げるためであったり、できないことをできるようになってもらうために料理教室を開催しています。

コロナの影響でしばらく開催できませんでしたが、12月4日に高知大学教育学部附属特別支援学校で久しぶりに行いました。参加してくれた6名は楽しそうにやっていましたし、上手に作っていました。

大西

食は生活の根幹ですもんね。では、「夢ノート」を使ったワークショップとはどんなものですか?

石川さん

私たちが作成した「夢ノート」を使い、障がいのある方たちに自らの人生を考えてもらうことを目的として開催しています。

大西

性教育はなぜ行っているのですか?

石川さん

性教育は、障がいのある方向けに行われることがなかなかなくて・・・でも、必要なことだと思っているので開催しています。

大西

なるほど。細かいところにフォーカスしているんですね。

石川さん

はい。私たちの団体名である“ちびっと”は、「こんまいこと(=些細なこと)」という意味で、一般的には些細な事であっても、生きづらさを抱える本人には「とても大事なこと」があります。そういうところを大事にしたいという想いの現れです。

大西

これからはどのようなことをしようと考えていますか?

石川さん

特別支援学校の卒業生を対象に行う、コインケースを用いたお金の使い方を学ぶ講座と、障害年金の重要性を認識してもらうための講演会を行おうと考えています。

大西

なんでコインケースなんですか?

石川さん

知的障がいのある子たちはお金のカウントが苦手なんです。でも、コインケースを使うと計算ができ、そして買い物もできた。という事例があります。

 

 また講座は助成金でやるつもりはありません。自分の将来のためのことなので、自分事としてちゃんと考えてもらえるよう、参加していただく際には、参加費を払ってでも参加して欲しいと思っています。

大西

参加者は主体的に取り組めそうですね。では、講演会について教えてください。

石川さん

障がいのある方は障害年金を受け取ることができると生活の質が良くなります。

 

講演会では、専門家の方に来て頂き、障害年金の持つ意味を福祉関係者や行政機関にお伝えしたいと考えています。

大西

それは重要ですね。

石川さん

重要なんですが、発達障がいの方や生きづらさを抱える人などの中には、障害年金をもらう権利があるのに申請しない人もいるんです!

大西

なぜしないのですか?

石川さん

障害年金を知らないからです。そういった人たちに知ってもらいたいと考えています。

大西

行政や福祉の仕事をしている人だけでなく、障害年金をもらえるはずの人にも聞いてもらいたいということですね。

石川さんは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの事業ができなかったことを非常に悔やんでおられました。ご自身もがっかりしたし、ちびっとに期待している人たちをがっかりさせてしまったことを申し訳なく感じているとおっしゃっていました。

仕方のないコロナ禍であっても責任を感じていらっしゃることが分かりました。それだけ熱意を持って取り組んでいるということだと思います。「中途半端なことをやりたくない」という力強い言葉もありました。生きづらさを抱える人を本気で支援したいという思いを感じました。

ちびっとの活動に共感して下さる方は是非ご支援をお願い致します。