失敗という価値

私は、「失敗」とは、新たな挑戦への第一歩であり、自分の考え方の変化に向けたスタートラインと考えている。

人は失敗をしないためにあらゆることを想定して実行に移す。その事柄を実行することによって起こりうる結果やトラブルなど、机上で一定の仮説を立て、対応策の検討を行う。

確かに机上で考えることも重要である。しかし、机上で考えられることは、過去の経験や知識がベースになっており、それ以上のことを考えていくことは不可能に近い。最終的に考えが偏り、「失敗」を恐れて実行に移さないことも考えられる。

何かを実行に移す時、何事もなく終えることが一番重要ではあるが、想定していないトラブルや突発的な出来事は、自身の新たな経験となり考え方の広がりを得ることができる。その経験を積み重ねていくことが想定外のことに対して柔軟かつ迅速に対応できる力を身につけていくことに繋がるのではないだろうか。

「失敗」を恐れていては何も始まらない。何もしなければ、何も得られず、何も変わらない。私は、VUCAと言われるこの時代だからこそ、あきらめず、挑戦し続けていくことが大切であると考えている。

理事 岡田 一水