“Albay Blues” ~マニラより愛をこめて(1)~

昔、フィリピンのマニラに住んでいたことがあります。
フィリピンと聞いて、皆さんは何をイメージするでしょうか?

語学留学先として、またリゾート地として人気の高いセブ島があり、またきれいなビーチで有名なボラカイ島など、旅行会社のパンフレットなどに掲載されている写真を見て、とても良いイメージを持たれる方も多いと思います。

一方で、現地に行って実際に体験してみないと分からない部分も実はたくさんあります。
このコラムでは現地に住んでみて感じたリアルなフィリピンの姿を、私が体験した範囲で皆さんにご紹介したいと思います。

とはいえ、実際に私がフィリピンに住んでいたのは今からほぼ10年前、また住んでいた場所もマニラの中心部でしたので、本当の意味でのディープなフィリピンの地方都市や山間部の実態まではお伝えできないかもしれませんが、いずれにせよ「フィリピンよもやま話し」に、少しだけお付き合いください。

ちなみにタイトルのAlbayとは、ルソン島南部の州です。仕事の関係で、マニラから月に何度も国内出張していた、私にとっては非常に思い出深い場所の名前です。

【フィリピンの梅雨は6カ月間!】

フィリピンの雨季は通常、6月から11月ごろまでと言われていますが、現地に住んでみて、実際は概ね5月後半から12月ごろまで続いているように感じました。雨季、といっても日本のように朝から晩までシトシト降り続くことはなく、日中はピーカンの青空にうだるような暑さと湿気、ただ夕方になると突然空が真っ暗になり、底が抜けるほどのスコールと雷鳴が轟いたかと思えば、あっという間に車道が水浸しになることも珍しくありません。

最近の高知でも夏場に同様の天気を経験することが増えてきて、これも地球沸騰化の一現象かと勝手に納得しています。現地の人によると、道路渋滞によって地下道で停止していた車が、急なスコールであっという間に回りが水浸しになり、逃げ遅れて車の中で水死した方もおられるとか。最近の日本で言うところの「ゲリラ豪雨」、といったところでしょうか。

年間で一番過ごしやすい時期は1月から3月ごろとなります。この時期、朝は半袖では少し肌寒い時もありました。マニラにある大きなデパートでは、よく皮ジャンやダウンジャケットを売っていて、現地の方に聞くと、海外に行く際、特に寒い場所に行く場合は事前に冬服を買って持って行くのだとか。OFW(Overseas Filipino Worker、いわゆる海外出稼ぎ労働者)が多いフィリピンならではのお国事情も関係しているのかもしれません。

【フィリピンは一日5食!】

現地で一番驚いたのは、多くの方が一日5食だったこと。朝昼晩の3食は普通ですが、午前10時と午後3時にも軽食を取る習慣があり、現地では「メリエンダ」と呼んでいました。

日本で言うところのおやつ、ですが、特に午後3時はどう見ても「おやつ」ではなく、がっつり系のパスタやピザ、バタークリームこってりのケーキ、有名スイーツのハロハロ、また軽食とは呼べないほどのボリュームのあるサンドイッチなどをしっかり食べます。普通、これで晩御飯は食べられないほど十分にお腹一杯になるのですが、また午後6時を過ぎた時間帯にはみんな何事もなかったかのように晩御飯を食べます。

これで太るなと言われても到底無理な話しで、現地にいる間、私も相当体重が増加してしまいました。(今は当時よりも更に体重増し増し、になっていますが・・・)

そんなわけで、まだまだ「よもやま話し」は尽きませんが、文字数の関係で今回はここまで。
また機会があれば第二弾をお届けしたいと思います!

理事:小島 多津雄

2018年3月 マヨン山をバックに、レガスピ空港にて