文化交流拠点「赤れんが商家」を直して、絵金文化を未来につなぎたい!ー瓦屋根の再生と地震への備えー

プロジェクト実施団体:特定非営利活動法人すてきなまち・赤岡プロジェクト

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支援総額
308,600
15%
目標金額 2,000,000
支援者数
30

募集終了まで

終了
実施期間:2022/08/25~2024/03/31
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高知特有の祭礼文化、絵金の芝居絵屏風が飾られる風景を未来につなぎたい。その一歩として、香南市赤岡町に位置する初代赤岡村長の旧邸宅「赤れんが商家」の大屋根修繕・耐震改修を行い、文化交流拠点としての持続的な活用を目指します。 本事業を通して、地域づくりの担い手の育成、木造伝統文化の継承、絵金文化を未来に継承し、地域性豊かな社会を実現します。

◯地域課題・活動背景

 赤岡町は幕末に商都として栄えた町で、現在でも江戸期から昭和初期に建てられた歴史的建造物が点在しています。この町の繁栄の象徴とも言えるのが、幕末の絵師・弘瀬金蔵、通称「絵金 」によって描かれた 23 枚の芝居絵屏風です。これを夏祭りの夜に町家の軒下に飾る独特の風習が現在まで続いています。しかし、商店街の衰退や少子高齢化に伴い、年々、歴史的建造物の解体が進み、過疎高齢化も相まってお祭りの維持も困難になりつつあります。

 

町家の軒下に芝居絵屏風が並ぶ須留田八幡宮神祭

◯「赤れんが商家」とは

「赤れんが商家」は、初代赤岡村長・小松与右衛門によって幕末から明治初期にかけて建てられた、およそ築150年の歴史的建造物です。小松与右衛門が造り酒屋を営んだ後も2013年まで宗石タバコ靴店として地域の人々に親しまれてきました。しかし2013 年に空き家となり、老朽化が著しかったため、解体が進められていました。町の中でも一際大きく、町のシンボル的存在であったことや、まちづくりに尽力した村長の功績から何とか残したいと思い、所有者に願い入れ、母屋と蔵・煉瓦塀の解体を留まってもらいました。

 

昭和後期頃の赤れんが商家
現在(着工前)の赤れんが商家
建物の歴史を示す立て看板

 

◯私たちの活動ミッション

2014年、高知高専で建築を学ぶ学生たちと、ヘリテージマネージャーの資格を持つ(公社)高知県建築士会の若手メンバーが地域住民をサポートする形で、おそうじワークショップを開催。これをきっかけに「すてきなまち・赤岡プロジェクト」を立ち上げ、①まちづくりの担い手育成、②伝統木造文化の普及・継承、③絵金文化の継承の3つをミッションとして、赤れんが商家の再生・活用に向けた活動に着手しました。

2021年にはNPO法人化を行い、赤れんが商家の土地・建物を取得し、地域の交流拠点として持続的に活用することを目指してさらなる活動の推進を図っています。

 

地元中学生による古民家お掃除ボランティア
土壁塗りワークショップ
高専生による絵金祭り解説ボランティア

 

◯プロジェクト趣旨・内容

私たちは本事業において、老朽化が著しい「赤れんが商家」の大屋根の葺き替え・耐震補強を行い、安全を確保した上で、文化交流拠点として積極的な活用を図り、次のステップへ進むことを目指します。

 

これまで約8年にわたって定期的にワークショップを開催、段階的に修繕を行ってきました。使えるようになったところから活用し、修繕と試験的な活用を重ねてきました。しかし、度重なる台風やシロアリ被害によって老朽化が進み、大規模な修繕が必要となってきました。さらに、所有者の高齢化による相続問題にも直面していました。

 

そこで、持続的な活用に向けて活動基盤を強化するため、2021年に団体を再編、「NPO法人すてきなまち・赤岡プロジェクト」を設立しました。これを機に、正会員や地域団体から寄付を募り、赤れんが商家の土地・建物を取得しました。さらに、2022年1〜3月にかけてクラウドファンディングを実施、ご支援いただいた資金を元に、3月から大屋根の修繕に取り掛かりました。1年間をかけて大屋根部分の葺き替えを完了し、現在は、左官による目地漆喰・水切り瓦の復旧を進めています。しかし、現在進めている漆喰仕上げとこれから着手する必要のある耐震補強にかかる費用が不足している状況です。

 

老朽化した大屋根
ボランティアの方々による瓦のバケツリレー
再生に向けた瓦の清掃
屋根下地の補修
(公社)高知県建築士会有志メンバーによる設計方針の検討
ボランティアの方々大集合

 

本事業では、屋根葺きと耐震補強に必要な費用の一部について、ご寄付を募りたいと思っています。これらが実現することで、赤れんが商家を文化交流施設としてより積極的に活用するとともに、次なる町家の再生に向けて、新たな一歩を踏み出したいと考えています。また、本事業では、これまでと同様にできる限りワークショップ形式で行うことで、より多くの人々に伝統木造建築の魅力やまちづくりに関わることの楽しさを伝え、上記に掲げた私たちのミッションを着実に進めていきます。

 

月に1回のコミュニティカフェ
小さな芝居小屋(Washi+との共同企画)
小さなまちの小さなアート(向井山朋子ピアノコンサート)

◯事業計画/スケジュール

令和4年度末までに、約1年間をかけて延べ300人以上のボランティアの方々にご協力いただき、大屋根の葺き替え工事を行い、現在は下屋の瓦葺き・屋根の目地漆喰仕上げの作業を行なっています。

令和5 年度は、これらの作業を引き続き行うとともに、建物内部の耐震補強をおこなっていきます。主には、劣化した木部を補強するため、柱・梁を内部に追加し、内部の安全性を高めます。これらの作業を、土佐の伝統構法を担う職人の方々と協働し、できる限りワークショップ形式で行うことで、伝統木造構法を学び、赤岡の町家に対する理解を深める場を創出します。

 

◯これまでの作業内容

(左:不足した瓦の調達(長谷寺) 中:左官職人による目地漆喰塗り 右:足場の解体を終えた赤れんが商家)

 

◯事業スケジュール

◯内部の耐震イメージ

◯目指す未来

修繕を機会に、赤れんが商家の使い方の可能性を広げることを目指します。絵金文化を起点としたアート、演劇、ギャラリーなど、自由な表現方法を模索する文化発信の場として活用していきます。また、4月からは月に1回のこども食堂の開催も予定されています。

高知空港から車で10 分という利便性を生かしたシェアオフィスの役割を備え、商都赤岡から新たなビジネスの芽生えを作っていきたいと考えています。複合的な利用を促進させることで収益事業を創出し、設備面の改善も行い、長期的には自律的な運営が行えることを目指します。

さらに未来の話になりますが、赤れんが商家や絵金蔵、弁天座などの施設を核として、町内の空き町家を民泊や店舗として活用することで、23枚の屏風を飾ることのできる、23件の町家を未来に継承し、通り全体で一つの文化交流拠点となるような町にしていきたいと考えています。

 

○赤れんが商家の将来の活用イメージ

 

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プロジェクト名:文化交流拠点「赤れんが商家」を直して、絵金文化を未来につなぎたい!ー瓦屋根の再生と地震への備えー
実施期間:2022/08/25~2024/03/31
目標金額:2,000,000